塩シャンプーとはお湯に塩を溶かして髪を洗い、お湯で流すという方法です。
塩にはたんぱく質を溶かして垢を落とす効果があるといわれています。
市販の安いシャンプーの強すぎる洗浄力が原因でフケやかぶれ、パサつきが起きている乾燥肌やアトピーの人には効果的な方法です。
しかし塩シャンプーはべたつくので悪い評判も多く見かけます。
塩シャンプーの2つの効果
塩シャンプーというと、荒塩のザラザラした感触を利用して垢をこすり落とすというイメージがあるでしょう。
しかし、そんなことをしたら頭皮が傷ついてしまうため、実際は塩の別の作用を利用して垢を落としています。
頭皮の垢が落ちやすくなる
塩にはタンパク質を溶解させる作用があります。
これは低濃度の塩化ナトリウム溶液が熱によるタンパク質を溶解させる作用で、この性質により肌にこびりついていた垢が落ちやすくなるというのが、塩シャンプーの効果です。
この作用のことを塩溶と言います。
頭皮の血行促進
塩には汗腺を活発化させる効果もあります。
よくミストサウナなどで塩が置かれているところがありますが、これは汗腺を活発化させて血行促進をサポートさせる働きを利用しているのです。
塩シャンプーでも、頭皮の血行が良くなることで栄養が全体に行き渡り、毛根が元気を取り戻すことにつながるのです。
塩シャンプーのメリット
塩シャンプーのメリットは、何と言っても頭皮のバリア機能を落とさずに余分な皮脂と垢を落とすことができる点にあります。
頭皮のバリア機能とは皮脂と常在菌によって、雑菌や紫外線などによるダメージから頭皮を守るための機能。
シャンプーで普通に洗ってしまうと、一時的に失うことになります。
バリア機能をすぐに回復させるように頭皮が学習してしまうと、皮脂の分泌量が徐々に増え始めることになり、かゆみやベタ付きが発生してしまうリスクも見逃せません。
塩シャンプーのデメリット
一方、デメリットとしては、ワックスなどの整髪料までは落とせない点でしょう。
湯シャンの場合もそうでしたが、整髪料をつけて髪をセットしていた場合、塩シャンプーでは落とすことができません。
整髪料は油分を含んだものなので、界面活性剤ナシでは十分に洗い流すことができないのです。
そこで、整髪料をつけていた場合、少量のシャンプーで洗い流す必要があります。
その際には、決して頭皮につかないように注意してください。
また湯シャンと同じく頭皮の脂でべたつくデメリットがあります。
塩シャンプーの作り方・使い方
塩シャンプーには粗塩を使用すると良いでしょう。
これは、荒塩にはさまざまなミネラルが含まれているため、汚れを落とすだけでなく頭皮に少しでも栄養を与えることができるからです。
塩シャンプーは以下の様に作成します。
作り方
- 洗面器にぬるま湯を入れる
- 塩を大さじ1入れる
- よくかきまぜる
0.5%程度を目安に少し多めに調整すると良いでしょう。
洗い方
- 髪を洗う前にしっかりブラッシングで汚れを落とす
- 37℃程度のお湯だけで髪を洗う
- 用意した塩シャンプーを髪にかけ、丁寧に頭皮を洗う
- 頭皮に塩が残らないようしっかり洗い流す
少しも残らないように、丁寧に洗い流しましょう。
ドライヤーは?頻度は?薄毛は治る?脱色?塩シャンプーQ&A
ドライヤーは頭皮を急激に乾燥させてしまうため、バリア機能を失ったと勘違いした頭皮が皮脂を出し続ける原因になります。
髪が長い方はタオルドライ後に、頭皮にかからないように毛先をドライヤーで乾かすようにしましょう。
ただし、AGAやストレスによる自律神経の乱れが原因で発生している場合は治るとはいえないのが現状です。
塩シャンプーで効果がなかった場合は、頭皮の環境を整えるアミノ酸シャンプーを使用しましょう。
サーファーが海水を浴びることで茶髪になってしまうというケースが見られますが、この原因は長時間付着した塩分によって髪が傷んでしまうことにあります。
塩シャンプーの場合、髪が傷む前にすぐに洗い流してしまうため、脱色する心配はほとんどありません。
むしろ、頭皮のメラノサイトに栄養が行き渡るようになるので白髪が予防できるというメリットがあります。
塩溶作用は、タンパク質の種類によって異なるため、最適な濃度は人によって異なります。
自分に一番適した濃度を探しながら髪を洗うのもいいでしょう。
その際に注意したい所は、濃すぎると、タンパク質の変性を促進して(塩析作用)頭皮にこびりついてしまうので注意が必要です。
また熱いお湯も変性を促してしまうので、ぬるま湯で洗うのがポイントです。
塩シャンプーをした際の皮脂分泌量は湯シャンに比べ多いので、元々皮脂過剰な方の場合、ベタ付きが解消されない場合も考えられます。
その場合は天然のアミノ酸系育毛シャンプーへと切り替えましょう。
頭皮の臭いニオイの原因は、常在菌であるマラセチア菌が皮脂を分解した時に発生するニオイです。
皮脂の量が正常に戻ればマラセチア菌の数も減り、ニオイも少しずつ減っていくことでしょう。
一定期間が経っても臭いやべたつきが治らない場合は体質に合っていない可能性が高いので、アミノ酸系育毛シャンプーへと切り替えましょう。
塩シャンと湯シャンどっちがいいの?
肌に垢が発生するということは、頭皮にも垢が発生するということ。
湯シャンは垢を落としきれない可能性がある一方で、皮脂の量は塩シャンプーに比べ少なくすることができます。
そのためどちらが優れているということはなく、自分に合った手法を使っていくことが重要です。
どちらも経済的な負担がかからないというメリットがありますが、ニオイやべたつきのデメリットが伴います。