頭皮に住む常在菌は、雑菌の侵入を防ぐなど頭皮環境を守るためのものですが、頭皮のカビのマラセチア・真菌となると話が変わってきます
真菌とはカビなどの菌の総称で、水虫の白癬菌が有名です。
白癬菌は日常生活で普通に接することの多い菌で、頭皮で繁殖すると抜け毛の原因になるので注意が必要。マラセチアは頭皮に常在する菌なので、さらに厳重に注意しなくてはいけません。
頭皮のカビ、マラセチアの原因と症状
表皮常在菌は、頭皮への雑菌の侵入を防ぐ重要な共生菌なのですが、マラセチアのカビ菌だけはそうは行きません。
マラセチアは表皮常在カビ菌で、皮脂を好物としているカビの一種。
- マラセチア・フルフル
- マラセチア・レストリクタ
- マラセチアアグロボーサ
が代表的です。
脂漏性皮膚炎の原因に
引用元:さぎのみや皮膚科クリニック
マラセチア菌は頭皮などの脂漏部分に胞子の形で存在するのですが、高温多湿の環境になると活発に活動しはじめます。
皮脂を含む汗を大量にかくと、菌が増殖し胞子から菌糸状に形態変化、これが痒みや抜け毛の脂漏性皮膚炎の原因となります。
マラセチアが頭皮で皮脂を分解すると、独特のくさいニオイやフケ、かゆみ発生するのです。
また、アトピーのような過敏症になって、髪が抜けていくというケースもあります。
「癜風(でんぷう)」による頭皮の皮膚病はうつる?
マラセチア菌から「癜風(でんぷう)」という皮膚病に発展する場合もあります。
こちらはマラセチア毛包炎と違ってマラセチア・ファーファーという別のマラセチア菌の仕業。
癜風に感染すると抜け毛だけで無く皮膚が色素異常を起こすなどの症状があらわれます。
頭皮の場合、自覚症状は、あっても「軽度のかゆみ」程度なので、発見が遅れてしまうケースも。
人によっては患部に「赤み」が見られることもありますが、髪に隠れて気づかない場合もあります。
癜風と脂漏性皮膚炎の合併
皮脂を好物にしていることもあり、脂漏性皮膚炎との合併症にも注意しなくてはいけません。
マラセチア菌による皮膚病は基本的にうつることはありません。
マラセチア菌の頭皮の治療法
マラセチアに感染してしまうと、治療には多少時間が必要です。
治療方法は皮膚科での投薬治療と抗真菌剤入りのシャンプーの大きく2つ。
症状の進行度によって、どちらを選ぶかを決定するといいでしょう。
病院での治療法
マラセチア菌の病院での治療法は、投薬治療が基本になります。
症状が軽くなったからと言って菌がいなくなったわけではないので、菌数が安定するまで根気強く薬を使用し続けなくてはいけません。最低でも半年は通院を続けるようにして下さい。
外用薬(ぬり薬)
範囲が狭い場合や進行が軽度の場合は、イミダゾール系の外用薬を使用します。
イミダゾール系外用薬(価格:2000円~4000円程度)は、効果がある真菌の種類が多いため、多くの真菌症で使用される医薬品。
薬品を外用してから、だいたい1週間程度で効果を実感。翌日には赤みや痒みが引き始めたという体験談もありました。
内服薬(飲み薬)
感染範囲が広がってしまった場合や進行が進んでいる場合、イトラコナゾール等の内服薬(価格:1錠50mgで152.2円)を使用します。
こちらも1週間で効果が実感できたという体験談が多く見られます。
シャンプーでの治療法
抗真菌剤を配合したシャンプーを使用することで、マラセチアの症状を緩和するという治療方法もあります。
その見分け方は「ケトコナゾール」などのイミダゾール系の有効成分を含んでいるかどうか。脂漏性皮膚炎や白癬、ニキビやフケ症にも効果が期待できるのも嬉しいところです。
副作用
ただしケトコナゾールは刺激が強いのでしみる、ヒリヒリする、熱感、赤み、かゆみ、かぶれという副作用があります。
刺激がなく天然成分のシャンプーで治療をしたい人は皮膚科医が監修したカダソンスカルプシャンプーが良いでしょう。
⇒公式サイトを見てみる
ただし、症状が進行してしまった場合、シャンプーだけで治療するのには相当な時間が掛かります。
その間に、抜け毛が進行してしまっては仕方ないので、抜け毛が酷いようなら病院で医薬品で治療をし、予防としてシャンプーを使うようにしましょう。
関連記事